悲泣渓谷の殺気塔の下、彼岸花の群生地に婚礼の間をしつらえた人形の花嫁。婚書や噂を頼りに訪れた者は皆、その手の「紅装鬼斬」に命を奪われ、刃から咲いた彼岸花の中に葬られ、血肉花の糧となる。
阿花には、幼い頃から共に育った阿輝という恋人がいた。二人はとうに想い合っていたが、阿花の父は富に目がくらみ、娘の意思も李家の花婿が愚鈍であることも顧みず、阿花を李家へ嫁がせようとした。さらに阿花の未練を断つため、李家と共謀して阿輝を殺した。
今も婚礼の間の裏には、阿輝の空の墓が立っている。人形となり、多くの過去を忘れてなお、阿花は信じ続けている。血肉花が実れば、愛する人は蘇るのだと。